破壊の報復

2003年10月28日
まず、今日は少し薬学の知識を。
ちょっとクロロホルムについて書いておきます。

クロロホルムとは、ご存知の通り強い麻酔性があります。
また肝臓・賢細尿管・心臓等に細胞毒として作用します。
それだけではなく、皮膚・粘膜も障害を起こします。
高濃度の蒸気を吸入すると、興奮状態・反射機能の喪失・感覚麻痺・意識喪失・呼吸停止が起こり死亡。(よくドラマとかでやってますよね)
でも、経験者の意見としてはかなり気分が悪くなる(催吐作用がある)だけでした。
低濃度の蒸気に繰り返し暴露すると、慢性症状として胃腸障害・肝臓/腎臓障害を起こります。
化学的性質としては、水と混ぜると油と違って沈みます。
また、水に溶けない物質はこれに溶け易いです。
そのため分液漏斗を用いた抽出に、水/クロロホルムを利用することがあります。
あと、ゴムとかプラスチックを溶かす性質があります。
ペットボトルとかでこれを保管しようとすると、きっととんでもないことになるでしょう。

さて、前置きはこの辺にしておいて。
今日の実験について書かせてもらおうかと。

今日の実験はカラムクロマトグラフィー。
シリカを使って、特定の成分を取り出す作業です。
(高性能な濾過と思って頂ければ分かりやすいかも)
その時に使った溶媒がクロロホルム。
使用した量は2L以上。
・・・絶対私は内臓がやられてると思う。
その際に用いているのはこんな機械。
http://www.advantec.co.jp/japanese/hinran/tanpin/chf161ra.html
これで一定量のフラクションを取っていくのです。
この時、私はあることに気がつきませんでした。
カラムの下部が緩んでいたために、そこから溶媒が漏れ出していたのです。
そして、その下にあるのはプラスチックのふた。

3時間後。

蓋にはクロロホルムで大きな穴が開いていました。
そして、その溶けたプラスチック入りのクロロホルムが中の試験管に・・・
先生、ごめんなさい。
私実験に本当に向いてない学生だと思います。

・・・卒業論文、本当に書けるのかなぁ?

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